薩摩伝承館で平等院藤の剪定が行われました。
2022-03-13
皆様こんにちは😊
昨日は薩摩伝承館にある「平等院藤」の剪定が行われました。
この「平等院藤」は、薩摩伝承館の開館2周年にあたる2010年2月11日に
京都宇治の平等院から特別に植樹されたものです。
なぜ薩摩に株分けをしたのか。
藤棚の傍にある銘板には次のように刻まれています。
『この環境を感じてほしい。
様々な文化がはじめに黒潮とともにこの地に訪れる。好奇心が強く、礼儀正しく、最も信仰心が篤い。
中世宣教師達が本国に送った言葉である。 廃仏毀釈を経て、薩摩から新納忠之助が現れ国宝修理の基礎を確立し、
平等院では明治修理が完遂した。 だからかも知れない。
十年を超える庭園整備や五年を掛けた本尊ならびに天蓋平成大修理を終えた私は、この地に吸い寄せられた。
五月、平等院の境内は池の対岸まで酔うような薫りに包まれる。右廻りに蔦蔓が空を目指し、
端麗な藤色の花房が地まで垂れる。 九尺藤とも云われる野田藤、銘木「平等院藤」である。
毎年約二万本の房が風に揺れ、花のカーテン、極光とも嘆息せずにいられない。
今日より、宇治の地で三百年近く育った四株のうち、はじめて切り分けられた幹が薩摩伝承館を彩る。
私は、ここに美しさの普遍が活性化されることを望む。薩摩の地の正しい文化が伝承され続けることを。
新しい平等院藤の誕生である。
平成22年2月22日
平等院住職 文彰 かく』
この地が「鹿児島」と呼ばれるようになって150年。
薩摩伝承館は、日本の伝統美の原形を世界遺産「平等院鳳凰堂」に求め、お手本として平成20年(2008年)に建設されました。
これがご縁となって、開館2周年を記念して銘木「平等院藤」が特別に植樹され、この出来事を後世に伝えるために、
神居文彰ご住職が揮毫された銘板が設置されました。
藤の剪定の作業は、この時期には葉がなく、蔦蔓が剝き出しの状態のため、
花芽と葉を見分けながら慎重に切り詰め、伸びていた蔓を切って、蕾に栄養が届くようにしていきます。
施設部の園芸スタッフによって日々大切に手入されている敷地内の植栽、
この時期には薩摩伝承館で平等院藤の剪定も行われています✄
藤棚の周りにはウバメガシやツツジ、肥後椿、シマトネリコなど様々な植栽がありますが、
足元にも花を咲かせている植物があります。
こちらは、藤棚の下に生えている射干(シャガ-Iris japonica)というアヤメ科アヤメ属の多年草植物です。
射干の花は今咲き始めていますが、
薩摩伝承館の平等院藤の開花は、例年4月中旬頃からです。
お越しの際はぜひご覧くださいませ🤗